Monday

110516

Getting My Measure / Keiji Ito, Energetic Field / Takeshi Hayashi
@The Museum of Fine Arts, Gifu


実家に帰ったときに伊藤慶二さんと林武史さんの展覧会を観に行ってきた。
以前から楽しみにしていたけれど、すごくいい展覧会だった。

慶二さんの作品はどこか時代を乗り越えて古代と直接接続しているような
プリミティブさを感じる。
それは確かに陶で作られているから間違いなく今を生きる手を経てかたちとなっているのだけれど、
そこらへんに転がっている石とかいわゆる「作家モノ」ではないものの魅力とすごくリンクする。
それは展示方法とも関係していて、
土台が古い住宅の部材を用いていたりして、
部分的に梁が入るためのほぞなんかがあったり、
経年変化によるテクスチャーがオブジェそのもののテクスチャーと共鳴して
より豊かなものとなっている。
ただ、それがアノニマスなものと言えるかというとそうでもなくて、
まちがいなく慶二さんの線をそこかしこに見てとることができる。
陶器というのは文字通り大地からの素材をそのままかたちとしているのだけれど、
石などと違って確固たるかたちが元々あるわけではないので、
その分作り手の自由になりやすいと言える。
それでいて自然のものと近づきすぎず、離れすぎずの絶妙の距離を保っているのは、
まさに慶二さんの繊細な感覚の賜物といえるだろう。
今の世の中ただきれいな線を作り出すことはできても、
それ以上に魅力的なおおらかな線を作れる人はなかなかいないのではと思う。

そして個人的にすごく印象的だった展示は、
彼が影響を受けたものと彼の作品を一緒に並べてあった展示室で、
日本のものはもちろんエジプト、ペルシャ、中国などの瓦、硯、器があったのだけれど、
5000年前のものの隣にちょこんと置かれているのには、なんだか時間の感覚を狂わされてしまった。
このように地理的、時間的な距離を悠々と越えてしまうのが彼のすごさで、
それは同時にすごく現代的な感覚でもあるのだと思う。
自分がどんなものから影響を受けているのかに自覚的であることはとても大切なことで、
ともするとそれに無頓着であるがゆえに、
自分がオリジナルなものを作っているつもりでも
実はすごく近しいものからダイレクトに影響を受けていたりもする。
今までの歴史の中で作られたものに対する敬意が、
結果として魅力的なものを作り出す契機にもなりうるのだ。

一方の林さんの作品は石を用いた彫刻で、
ひとつの大空間をゆったりと使った展示は、
視点によって石同士の関係性が変化してすごくおもしろかった。
ただそれ自体よりも親に指摘されて気付いたのだけれど、
彼は前に坂さんの手伝いにポルトガルに行っていたときに
その別荘の敷地内に現地制作をしていた日本人の彫刻家の方で、
こんなところでお目にかかるとは思っていなかっただけにすごくびっくりしてしまった。
ただそこでの彫刻を考えると、
目の前に水平線が広がる場所に石が屹立している方が
やっぱりしっくりくる。
こういった種類の彫刻はとくに空間との関係が重要になってくるのだなあと
あらためて実感した。

Algarve, Portugal

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